裏切り者のお姫様 (更新中)
「あ、もうこんな時間か。千代ちゃん、公園まで送るよ。」
「あっ。ありがとうございます。」
部屋にかけてある時計はすでに18時をまわっている。
なんか、学校を抜け出して、期限付きの仲間ができて…この数時間あっという間に過ぎちゃったな…。
「うーん…。」
「あの、千影さん…?」
出入り口へ向かおうとした千影さんが、急に私を見て悩み始めたから少し焦ってしまう。
な、なんなんだろう急に…。
また俯きそうな顔を、うつむかないように必死に千影さんを見上げる。
「よし、その敬語と“さん”付け、やめようか。」
「え!?」
「ここでは先輩も後輩も関係ない。先輩後輩じゃなくて、“仲間”だからね。僕のことも千影でいいから。」
いやいやいやいや!
千影さん素敵な笑顔で言ってくれてるけど、さすがに難易度高いよ…。
千影さんたち顔整ってて優しいし、関わるのもなかなか恐れ多いのに…。
それをタメ口で、呼び捨て?しかも先輩を?
無理よ…。