相合傘
「なんで、泣いてんの?
俺、涼にすっげー怒られたんだけど」
顔をあげなくてもわかる、春の声。
困ったような、でもさっきより少しだけ優しさを含んだ、春の声。
その声にまたあたしは涙が溢れる。
「泣いて、ない…よ」
「泣いてんじゃん」
「泣いてない」
「…
じゃあ、未弥ちゃん、これ荷物」
春はそう言って荷物をあたしに差し出した。
だけどあたしはそれを受けとることができない。
゙未弥ちゃん゙
春…?
どうして昔のように
゙みー゙
って、呼んでくれないの?
動けなかった。
からだが金縛りにあったように固まって、動けなかった。
「未弥ちゃん?」
やだ、未弥ちゃんなんて言わないで…
みーって呼んでよ…
ねぇ春?
「未弥ちゃん?
どうした?」
「…春なんか、大っ嫌い!」
やっと、口を開けたときに出た言葉は、
思ってもいない言葉だった。
でも、その言葉によって、あたしの体は金縛りから解放された。
それと同時に、今自分がいってしまった言葉が頭の中で繰り返し流れる。
俺、涼にすっげー怒られたんだけど」
顔をあげなくてもわかる、春の声。
困ったような、でもさっきより少しだけ優しさを含んだ、春の声。
その声にまたあたしは涙が溢れる。
「泣いて、ない…よ」
「泣いてんじゃん」
「泣いてない」
「…
じゃあ、未弥ちゃん、これ荷物」
春はそう言って荷物をあたしに差し出した。
だけどあたしはそれを受けとることができない。
゙未弥ちゃん゙
春…?
どうして昔のように
゙みー゙
って、呼んでくれないの?
動けなかった。
からだが金縛りにあったように固まって、動けなかった。
「未弥ちゃん?」
やだ、未弥ちゃんなんて言わないで…
みーって呼んでよ…
ねぇ春?
「未弥ちゃん?
どうした?」
「…春なんか、大っ嫌い!」
やっと、口を開けたときに出た言葉は、
思ってもいない言葉だった。
でも、その言葉によって、あたしの体は金縛りから解放された。
それと同時に、今自分がいってしまった言葉が頭の中で繰り返し流れる。