相合傘
大っ嫌い…


あたしは、なんてことを言ってしまったんだろう。



馬鹿すぎる、よ…


ひとりで泣いて、春や涼君に迷惑かけて、しまいには春にこんなこと言って。

あたしは何をやってるんだろう。



春の反応が怖くて顔をあげられない。

春は今、どんな顔してる?

…怒ってるかな?




「ご、めんね」


あたしは、そう呟いてから春の手に持たれている荷物をそっと取って全速力で走った。






ねぇ、春…?



ずっと前から好きだったよ。


今だって、


好きだよ。


大好きだよ。







あたしは、


今でも相合い傘を書くなら。


春とあたしの名前を迷わず書くよ…?





ねぇ春?



小さい頃かいた、


相合い傘にこめた、あたしの想いは、


今でも


変わらないんだよ。




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