相合傘
次の日。


一晩中泣き明かしたあたしの目は真っ赤で。


それでも、

ひとつだけ。


泣きまくって、悩んだ先に。



どうしてもやりたいことがあって。


完璧なる遅刻だったけれど、あの時間の前に学校までなんとかたどり着いた。



教室に入るなり、涼くんにでも事情をきいたのか郁未はあたしのそばに駆け寄って、謝り続けた。


「ごめんね!
ほんとごめん」


頭を下げたまま、ごめんと言い続ける郁未。



教室にいた人達は、みんなあたしたちに注目。


なんだか自分が悪いことをしているような気分に陥った。


「郁未、そんな謝んないでよ」



「…うん」


そう言って、少し顔をあげた郁未の目はあたしと同じ様に真っ赤だった。



…謝らなきゃいけないのは、あたしの方じゃない。


悪いことをしたのは、郁未じゃなくてあたしじゃない。


「ごめん、郁未」


何にも話せなくてごめんね。


郁未は、あたしのことをちゃんと考えてくれていたのに。



「なんで未弥があやまんのよっ!」


泣きながらも怒っている郁未。


そんな姿に少しだけ、笑ってからあたしは言った。


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