相合傘
屋上から見る景色は、



とても綺麗だった。



あたしの告白から1時間。


春は、まだ訪れない。



「気付いてないのかなー」


そう思ったら、悲しくなったけど、でも。


10年越しの片想いにケリがついてスッキリした気分だった。




そんなとき。


あたしの目の前を白い鳥が通る。



それと同時に

『バンッ』


ドアが勢いよく開く音。



「みー!」


大声で呼ばれて、


振り向いた先には、



昔と変わらぬ優しい笑顔の春がいた。




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