相合傘
すうっと息を吸い込んで口を開いた。



「春!

好きだよ?
ずっとずっと前から」


これから先も、


ずっとずっと。




春の隣にいたいよ。



「俺だって、負けないくらい…好きだ」






涙が頬を伝う。



それは

今までとは違う

幸せな涙で。



嬉しさのあまり、あたしはその場に泣き崩れた。


夢じゃないんだよね?

今。



「ちょ、みーどした!?」


「はるー…」


「まじ泣くなって」


春はあたしの元へやってきてぎゅー、と強く抱き締めてくれた。


「はる、あったかい…」


約10年振りの春の温もりはあったかくて、

気持ちよかった。

「そ?
泣き止んだ?」


「うん」


「よかった」


あたしの頭を撫でて笑った春。


すべてが懐かしくて、

幸せだった。




「好き」


ずっとずっと。

ずーっと。



相合い傘を書くときには、
いつも君の名前が


隣にありますように…



─相合傘─
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