相合傘
「無理だって。
あたしは手頃で十分。

あ、てかここ2組だったよね?」


「うん、そうだけど…どしたの?」


「ううん、ちょっとねー」

ふーん。

と何かを考えながら、郁未は曖昧な笑みを浮かべた。


会話はそこで一時中止され、あたしの意識はまたも春の方へといってしまう。



嫌だな、考えたくないのに。



だけど考えたくないことほど、気にしてしまうもので、
あたしの中には

彼女いるのかな…なんてことまで考えてしまう。



呆れちゃう。


たとえいたって、いなくたって…

あたしたちはもう変われないのに、

言葉すら、交わせないのに。




でもそんなのやっぱり、寂しすぎる…

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