ボクはここにいる
クロイウミ
黒い 夜の海が好きだ
夜の海はコワイという人もいるが
ボクは好きだ
黒い海は嘘をつかないし
裏切ることもない
波の音しか聴こえない
雑音はもうたくさんだ
月明かりが真っ黒い海を照らす
それは一筋の希望なのか
ボクはこの漆黒に染まってしまいたかった
もうあの人はそばにいないのだから
でも 太陽がボクを迎えに来てしまった
そうして
ボクは
『僕』を置いてきてしまったのだ
僕を切り離したボクは 僕なのだろうか
不完全なボクは なぜここにいるのだろう