天使な悪魔〜二面性を持つ女と闘う男の物語〜
「ねぇ君たち!
佳奈ちゃん見なかった?」


3人のイケメンが、
すごい勢いで走ってきた。


「あっち行きましたよ?」


学校と反対側を指差すオレと凛。



「ありがとっ!」


確認もせず、
我先にと駆け出すイケメン三人衆。




「…行ったぞ」



三人を見送ったあと、
オレと凛の後ろに隠れていた佳奈に言った。



「ありがとね。」


「モテるってマジだったんだな」


「当たり前でしょ!
ったく、今日から悠介とラブラブ通う予定だったのに…」


「あはは…」


オレも凛も苦笑い。


「このあたしをフったこと、
いつか必ず後悔するよっ」


「ご心配なく。
オレには凛だけだから」


そう言って、
凛を抱き寄せた。


「きゃっ」



「ふーんだっ。
…せいぜい幸せにすごすことねっ」


捨て台詞のように言うと、
じゃっ!

と右手を上げ、猛ダッシュ。


ふと後ろを見ると、
別の男が佳奈に狙いを定めていた。




「朝から大変だね…」



「佳奈…こんな足速ぇんなら陸上部入りゃいいのに…」




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