天使な悪魔〜二面性を持つ女と闘う男の物語〜
大きなため息をつきながら、
入るときと同じように
隙間を出来るだけ開けないようしてに外へ出た。


「悠くん?どしたの?」

心配そうな声が耳に届く。

「ん…なんか…姉ちゃんがいた…」

「ホントに?やった♪お話したいっ」

喜ぶ凛。

「あー…えーと…」

オレはなんとか言い訳しようと
頭ん中のボキャブラリーをかき回した。


無理…。オレ国語赤点じゃん…。


「あたしもお話したい♪」


後ろから聞きなれた声が
聞きなれない言葉遣いを喋った。


もうダメだ…
さよなら、凛…
オレ、マジで楽しかったよ…


「あ、悠くん…
悠介くんのお姉さんですよね?
初めてましてっ
夏目凛です」

「あたし奈津美っよろしくね」

姉ちゃんがオレの後ろからヒョッコリ顔を出した。

オレが楯になっていたので
二人はたった今、
初めて顔を合わせた。


そのとき、姉ちゃんの顔が一瞬強張ったのを
オレは知らなかった。


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