天使な悪魔〜二面性を持つ女と闘う男の物語〜
「悠介、ヤバイぞ。あの凛て子」

「はぁ?」


凛を三階のオレの部屋に通すと、
飲み物を持っていくため、
二階のキッチンに戻ったとこを
姉ちゃんに捕まった。


「ヤバイって…何が?」

紅茶を作るため、
お湯を沸かしているときだった。

「絶対裏がある!そんな顔してた!」

我が姉ながらアホ。

「何を根拠に言ってんの?」

「女の勘だ」

前言撤回。
我が姉ながら超アホ。

「意味わかんねぇし」


火を止め、お湯をカップに注ぐ。
透明のお湯がほんのり茶色に変わる。
辺りにキャラメルの香ばしい香りが広がった。
キャラメルティーは凛の大好物。


「後で後悔しても知らないよ?」

しょうがないから姉ちゃんにもキャラメルティーを分けてやった。

「姉ちゃんが邪魔しねぇ限り
オレが後悔することはねぇんだよっ」

飲んでいたキャラメルティーをテーブルに置き、
姉ちゃんは少し間を開けて言った。

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