天使な悪魔〜二面性を持つ女と闘う男の物語〜
凛の声で我にかえると、
凛はムスッとした顔をしていた。

「悠くんボーッとしすぎ!
ずーっと呼んでたのにぃ」

凛はぷうッと頬を膨らませた。

相手は怒ってる。
でも…

「かわいい〜」

膨らんだ凛の頬を
ムニッと人差し指で
押さえた。

「あたしは怒ってるんだよぉっ!」

そんなことを言ってるが、凛の顔は真っ赤だった。

そんな顔をされちゃ
イジメたくなるもんだ。

「怖くねぇし」

「もぉっ!!」

凛はオレの両頬を
引っ張りだした。

「あにふんらよっあにゃせぇ〜」
(なにすんだよっはなせ〜)

オレは凛の両手首を掴んで、
頬から手を離させた。


あ。ヤバイ。
大変なことをしてしまった…。


凛との顔の距離、30cm。
凛の両手首を掴んで自由を奪っちゃってるオレ。


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