天使な悪魔〜二面性を持つ女と闘う男の物語〜
「へぇ…
そんなにオレとキスしたい?」

凛の背中に手を回して引き寄せた。

「しょ、しょーがないじゃん!」

強がりつつも顔は真っ赤。
やっぱり可愛い。


凛がギュッと目を瞑ったので、
そっとキスした。

「悠くん…」

腕の中で凛が呟く。

「くしゃみでいれかわったんだって?」

「うん…
なんか最近いれかわる回数がすごく増えた気がする…
多分あっちも悠くんが好きなんだろーね」

「え?」

凛の話によると、
誰でも凛にキスすると変わるってわけじゃないらしい。
両方の凛が好きな人にキスされて
初めて変わる。






「ねぇ悠くん…」

「ん?」

教室に戻るまでの廊下に、やはり人はいない。

凛が急に立ち止まって聞いてきた。

「あたしとあっち、どっちが好き?」




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