天使な悪魔〜二面性を持つ女と闘う男の物語〜
「ばぁーか。
何変な心配してんだよ」

オレは凛に抱きついたままだったから
凛の顔を見ることは出来なかったけど
たぶん…

「バカって何よぉ〜!」

怒ってたみたいだ。

「あたしはこの二面性のせいでどんだけフラれてきたか…」

凛の声が弱くなった。

「別にあっちが嫌いなわけじゃないよ…
でもあっちの凛に惚れた人は
あたしが嫌い。
あたしに惚れてくれた人は
あっちを拒絶するの…」


顔を見なくてもわかる。
抱きしめた凛が震えてる。

女と違って男は単純。
惚れた女がタイプじゃなかったら
すぐ捨てる。


たぶん凛は…
それを何度も経験したんだ…



< 43 / 110 >

この作品をシェア

pagetop