天使な悪魔〜二面性を持つ女と闘う男の物語〜
「なんでそんなサインになっちゃうわけ?
ただ遊びに来たいって言ってるだけじゃん」

オレが言うと、
亮太はちっちっちと人差し指を動かした。

「これだからお子ちゃまは」

と、ため息をつく。

「フラれたヤツに言われたくねぇよ」

一瞬落ちたが、

「んなもんどーだっていいの!
過去は振り返らないタイプだから」

立ち直りの早さは人一倍の亮太。



「凛ちゃんは、共働きで両親がいない、
しかもバイトで奈津美さんもいないかもしれないってのに
行きたがってんだろ?」

「そうだけど…」

「つまり!
家という密室に凛ちゃんと二人きり!」

「…だから?」


しびれを切らしたのか、亮太はしゃがみこんだ。

「もっかい言わせて…
なんで凛ちゃんは
よりによってオマエを選んだんだよ?!」


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