嘘と真実の世界


放課後になりました

本当は嫌なんです

家を柳沼に教えるなんて
でも仕方がないんです

情報を知ってもらうには
こうするしかなかったんですから

「じゃあ行こっか盛川さん」

「……待ち合わせ場所
決めれば良かった」

「えっ何で?」

よくよく考えたらこの人
人気者でした

女からの嫉妬の視線と
男からの興味の視線最悪です

後から後悔しても遅いです

仕方がありません

早く帰らなければ

あの先生にも掴まります

ガシッ

「えっ?」

「すぐに靴を履いて履き遅れたら
置いてくから」

「えっ!」

履けました……柳沼 大翔さんは?

……何で固まってるんですか?

もういいです置いていきます

知りませんすぐに履いてって
言いましたからね

履き遅れたら
置いていくとも言いました

なんとか校門から出れましたね

「速い」

「遅い」

「……何であんなに急いでたの?」

「……もう少し先を歩いてから話す」

「?……分かった」

ここら辺でいいですかね

「先生に捕まるからいつもここまで
走ってる」

「何で逃げてんの?」

「柳沼が転入した日なぜか
生徒指導室に行けって
言われたけど行ってないから
それと生徒会の仕事
サボったから」

「えっ…じゃあ早く戻らないと」

「会議の時に行くから大丈夫」

「そんな事してたら生徒会長に
怒られるんじゃないの?」

「自分で自分は怒らない」

「は?」

「私が生徒会長なのに
私を怒るなんてない」

「……生徒会長が何やってんの?」

「仕事がすぐ終わって暇……
だからサボる日をつくって
サボった分とその時の仕事を
生徒会室に行った日にする
そしたら暇じゃなくなる」

「そんなにすぐに終わるの?」

「皆は一週間かけてやるけど
私は数時間で終わる」

「はやっ」

「だから仕事がなくなったら
他の人の仕事をする」

「そんなに頭いいの?盛川さんって」

「学年トップだけど?」

「えっ」

「500点満点中500点」

「……満点……(・ロ・)ポカーン」

「天才だから」

「自分で言うなよ」

「……先生には才能の違いって言った
柳沼と一緒で自分で言うかって
言われたんだけど
……………似てるんだね
もしかして先生の隠し子?」

「何でだよ」

「冗談……先生は結婚もしてなければ
最近彼女と別れたらしいし
ちなみに6年付き合ってた」

「何でそんなの知ってるの?」

「生徒会長だから
何でも知ってて当たり前」

これ先生にも言いましたね

「着いた」

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