追憶の彼方に
6章 痛み
✩✩一華サイド
いちか‥‥
あの日から・・・
波瑠からの連絡はない。
ただ、飛鳥建設とうちの会社が、
都市計画を提携して行うことになり
波瑠は、繁盛に会社には来る。
だが、受付を通したり、
通さずに打ち合わせ会場に入る。
まるで、私とは関わらないみたいに。
一切の接触もない。
私が····そう······望んだこと····だが
心が苦しく辛かった‥‥
そんな、私を
優里は、毎回心配そうに見ていた。
その都市計画も中盤に来たとき
結城課長が、波瑠と受付の前にきて
「今から、食事に行くが、
一緒にどう?」
と、誘ってきた。
課長は、
「俺が、落とそうとしてる子だ」
と、波瑠に私を紹介した。
課長は、私の相手が波瑠とは、
解ってない。
私は、断るつもりでいたが‥‥‥
優里が、
「是非。」
と、言って。
四人で行く事になった。
課長は、私達に
波瑠の事を紹介して、
「菅野君は、イケメンなんだが
残念なことに、妻帯者なんだ。
だけど、奥さんは、
こんなイクメンな旦那で
鼻高々だろうな。
それに、奥さんも、
綺麗な人なんだろ?
どうやって、知り合ったんだ?」
と、訊いたりしていた。
優里も
「わぁ、私も聞いてみたい。」
と、騒いでいた。
波瑠は、苦笑いしながら
「まぁ、」
と、か。
「いいじゃないですか、」
と、言って
曖昧に答えていた。
私は、
「お手洗いに‥···」
と、席を立ち
そのついでに、優里に
“ 先に帰るね ” と、メールした。
優里から、
“ わかった。 ”
と、返事がきたから
そのまま店をでた。