追憶の彼方に

✩✩結城の苛立ち

課長は、知っていて
助けてくれたんだ。

「ご迷惑おかけして、すみません。
助けて頂いて、ありがとうございました。」
と、言い。
そこを立ち去った。

だが課長は、直ぐに追ってきて
「この先も、こんな思いをするんだぞ。」
と、言うから

「そんなに、おっしゃるなら、
奥様に言えば、良かったじゃないですか？
奥様と一緒に、私を責めたら
良かったじゃないですか？」
と、泣きながら告げると

「いや、済まなかった。
俺は、一華を泣かせるつもりはなくて
お前に幸せになって欲しいんだよ。」
と、言うから

「私こそ、すみません。
課長が、そんな方ではないと、
わかっているのに動揺してます。
今日は、帰ります。」
と、言って課長から離れた。


一華を責める積もりは、ないのに
つい、つい、きつい言い方をしてしまう



菅野は、いったい、何を考えてるのか
奥さんが、一華に会いに来たのも
知らないんだろう。

会話もないらしいが
だが、それならなぜ一緒にいるのか
一華をどうしたいのか

考えれば、考えるほど
ムカついてくる。
くそ！