追憶の彼方に
8章 新たに
✩✩待っていて
一華のマンションに着いて
玄関を開けた一華を
その場で抱き締めた。
一華は、びっくりしながら
俺の背中に手を回してくれた。
部屋に入り·····
「一華、ごめんな。
沢山、辛い思いばかりさせて。
だけど、後少しだけ
俺を信じて待っていて欲しい。」
と、言われて
「うん、大丈夫だよ。
私こそ、陽向ちゃんに
波瑠を返さないと、いけないのに
ごめんね。
波瑠を板挟みにして。」
と、言うと。
「紗良には、二度と近づけさせないから。
俺には、一華が全てだし
俺を、癒せるのも
俺を、愛してくれるのも
一華だけで陽向じゃねえ。
それに陽向は、俺じゃなくても
大丈夫だから心配ない。」
と、言い。
私にキスをして
「一華、今日は帰るな。
明日、必ず連絡するから。
戸締まりして、ゆっくり寝ろ。」
と、言った。
「わかった。
波瑠も気をつけて帰ってね。
お休みなさい。」
と、チュッと唇にキスをした。
波瑠が、帰って寂しかったが、
波瑠に、何か考えがあると思い
我慢した。