追憶の彼方に
家には、灯りがついていた。
鍵を開けて中に入ると
リビングには、電気がつきっぱなしだ。
家に入ってから、直ぐにわかった。
男は、やはり来てる。
家の中に、タバコの臭いがする。
紗良は、男と一緒に居すぎて
嗅覚が、麻痺しているんだろう。
俺は、自分の部屋に入り、
鞄に荷物を詰め
家を出る準備をした。
当面は、ホテルにいるつもりだ。
綺麗になって、
改めて一華に会いたいから。
俺は、寝室になっている部屋に行く
一度も、入ったことはないが。
扉を、開けると
やはり‥‥‥‥
紗良が男とベッドの上で、
裸で抱き合っていた。
二人は、行為に夢中で
俺に気づいていない
「紗良、お前、その男と一緒になれ。」
と、言うと。
「キャーっ、なぜ?なんでいるの?」
と、自分の上にいる、
男を押し退けて俺に言った。
だらしなく、二人とも裸で
気持ちが、悪かったから。
「二人とも、服を着て、
リビングに来い。」
と、言って、
俺は、リビングに先に行き
三人分のコーヒーを入れた。
しばらくして二人は、
リビングに入ってきた。