追憶の彼方に
「確かに、そう言ったけど、
俺、一華を愛している、と言ったよな。
俺には、一華だけだとも。
一華が、いないと生きていけない。
って、言ったよな‥‥‥‥
まったく、電話しても繋がらないし
結城課長から、連絡もらって焦った。」
と、言うと。
「ごめんなさい。
ママが、前の日から、帰って来いと
煩くて、慌てて帰ったから、
携帯の電池ないし
充電器もなくて。」
と、しょんぼりする一華に
「まあ、いいや。
いちか、お腹へった、
ご飯食べに行こう。」
と、連れ出して
軽く食べてから、海に向かった。
「一華、今まで沢山、
辛い思いさせて悪かった。
陽向の籍も俺から
外して、紗良が再婚しても
問題ないようにした。
離婚の条件は、
この間話した通りだ。
やっと、俺は、独身になった。
離婚して、間もなくで
常識ないと言われるかも知れないけど
一華、俺と結婚してくれ。
俺の籍に、直ぐに入ってほしい。
一華を誰にも、渡したくないし
もう、二度と失うのは嫌だ。」
と、言った。
一華は、涙を流しながら
「私で、いいの?」
「一華じゃないと無理。
バツイチの、俺じゃ嫌か?」
「バカ、波瑠が、嫌いだったら、
とっくに違う人と、付き合ってるよ。
波瑠が‥‥好き、波瑠しかいらない。」
と、言う一華に
「じゃ、返事聞かせて。」
と、改めて訊ねると
「私を波瑠のお嫁さんさんにして下さい。
宜しくお願いします。」
と、言ってくれた。