追憶の彼方に

「おじさん、返事をもらう前に
おばさんにも、聞いて欲しいのですが。

俺、一度結婚して、
一昨日離婚届けを
提出してきたばかりです。

子供も、一人います。
子供は彼女がとり、
俺の籍からは除籍しています。

どんな理由が、あったとしても
一度、他の人と結婚していたことは、
事実です。
この結婚は、俺には苦痛でしかなかった。
こんな馬鹿な俺ですが
必ず、一華を幸せにします。
いや、俺が、一華でないと
だめなんです。
どうか宜しくお願いします。」
と、言うと。

おじさんもおばさんも
びっくりしていたが

おじさんは、
「私達は、一華が幸せに
なってくれたら、それでいい。
一華は、波瑠君の全てを
知って、尚且つ、一緒に
いたいんだろ。
なら、一緒になるといいよ。」
と、言ってくれた。

おばさんも、うん、うんと
頷いてくれていた。

「「ありがとう、ございます。」」
と、二人で言った。

それから、四人で食事をして
色んな話をした。
式は、おばさんの母国で
身内だけで挙げることにした。

来週は、俺の実家に
一華と挨拶に行くことにした。


結婚は、やはり
お互いの気持ちも大事だが
育ててくれた、両親にも
認めてもらえて、
みんなで笑顔になりたい‥‥
と、俺は改めて思った。


一華に再び会えて
優里さんや結城課長に
支えられたから、
いま俺は、一華の隣にいることができる。

それは、忘れずに
生きていこう。
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