追憶の彼方に

✩✩去った後には·····


四人が店を出ると、
  店内が静かになった。

一華さんが、モデルの“ Ichika ”だと
気づいている人も多く、
店内はザワザワしていた。

その上、美男、美女が四人も
揃っているから、男性も女性も
ボーッと、見とれていた。

私は·······
波瑠にあんな風に
話しかけられることも
手を繋がれることも
ひなたが、お腹にいるときに
お腹を触ってもらったことも
‥‥‥‥‥‥なかった。

無理矢理奪って、妊娠すれば、
波瑠の気持ちも、
私に向くと
簡単に考えていた、
私は‥‥バカだ
浅はかだ。
やはり、気持ちがないと
上手く行くはずないんだ。

私は······
私と陽向をあんなに
大事にしてくれて‥‥
愛してくれた‥‥
勝に会いたくなった。

私は、友人とわかれて
久しぶりに、勝に電話した。

勝は、とても喜んでくれて
「ずっと、待っていた。」
と、言ってくれた。

今から、陽向を迎えに行くから、
「夕方、家にきて。」
と、伝えた。

人を愛して、愛される。
そんな、生き方をしたいし
陽向にも、そうであってほしいと思う。

今度、波瑠からの電話あったら、
「ありがとう。」
と、言って
陽向の声も聞かせて上げよう。

もう、波瑠と関わることも
なくなりそうだから。

勝と幸せに、なりたいと、
考えているから‥‥‥‥
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