彼女にもう一度
「新しい彼女は可愛いか?」


高志が遠慮なく尋ねてくる。


「ああ、良い子だよ。気もきくし可愛いし」


「……本当に誠はもてるな。遥子ちゃんと付き合ってた時期なんて、俺ら嫉妬の固まりだったもん。可愛いかったからなあ……」


「どうも」


高志がやけにココの話をしてくるのが気になった。
今まで、腫れ物に触るかのように避けてきた話題だったのに。


そんな怪訝そうな僕の目に気付いたのか、高志が言いにくそうに切り出してきた。


「あのさ……遥子ちゃんの遺品を預かっていてな、今日はそれを渡すために京都まで来たんだ」
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