彼女にもう一度
「……」


「新しい彼女が出来たのは知ってるよ、だから迷っていたんだ。ただ遥子ちゃんの爺さんから預かっちゃってさ。本当は命日に渡すつもりだったらしいんだけど、お前来なかったからって」


高志の話しをさえぎるかのように店員がカフェラテをテーブルにことりと置いた。


「あ、どうも……でさ、爺さんにも悪いしとりあえず一応持ってきて、それをどうするかはお前に任せようと思ってさ」


「……遺品って何だよ?」


僕が尋ねると、高志はカバンの中をごそごそとあさり、何やら便箋のようなものを取り出して言った。


「遥子ちゃんからの手紙」
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