彼女にもう一度
「すいません!!僕が見えませんか!?」


僕はパニックになって、通行人に次々と声をかける。

だがやはり誰一人、僕の存在に気付かない。



「すいません!すいません!」



誰でもいい、僕に気付いてくれ!
そう願いながら、なお街ゆく人に声を掛け続けていたその時、



「どんなに言っても無駄や、おじさんはもう死んどる」



女の子の声が後ろから聞こえてきた。
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