本当
よくわからないけど

「今日一緒に遊ぼ?」

不意に耳に入った冬歩のそんな提案にも乗ってしまった。
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「正と遊ぶの久々」

放課後腕をこれでもかってくらい絡ませてくる冬歩とホテルまでの道のりを歩く。

((あの日から蜷とどう絡むかばかり考えていてろくに遊んでいなかった))

そう思いながら冬歩とホテルに。

「正…」

俺の背中に手を回しキスをせがんでくる冬歩にどうしようもない気持ちを押し付ける。
違う。

「正…っ」

違う。
何回キスしても体を重ねてもどこか満たされない。
何かが違う。

「蜷」

無意識のうちに蜷の名前を呼んでいた。
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