曇り





俺は興奮して大声で喋っていた


「…いじょぶ…で…っす」


いきなり泣き出してしまった渡



すると、日が落ちてしまっていて気がつかなかったが、辺りはもう曇り空


その雨雲からポツリポツリと雨が降る




「あ…め」

俺はショックで2人のことを忘れ、上を見上げる


なんだってこんなときに…



長い間…だとは思わなかったが、知らぬうちに俺は思考をめぐらせて固まっていたらしく、首を戻すと男は消えていた




「おーいなくなったか。渡、平気か?雨降ってきちまったし、はやく帰ろう」

「…」


立ち尽くして動かない渡をゆする

「おい!しっかりしろ!あーめ。雨降ってきたからよ。まあいろいろあったかも知れないけど、とりあえず今は帰ろう。」



渡がまだ泣き止まぬままの顔で、俺を見上げる





< 37 / 64 >

この作品をシェア

pagetop