曇り
俺は興奮して大声で喋っていた
「…いじょぶ…で…っす」
いきなり泣き出してしまった渡
すると、日が落ちてしまっていて気がつかなかったが、辺りはもう曇り空
その雨雲からポツリポツリと雨が降る
「あ…め」
俺はショックで2人のことを忘れ、上を見上げる
なんだってこんなときに…
長い間…だとは思わなかったが、知らぬうちに俺は思考をめぐらせて固まっていたらしく、首を戻すと男は消えていた
「おーいなくなったか。渡、平気か?雨降ってきちまったし、はやく帰ろう」
「…」
立ち尽くして動かない渡をゆする
「おい!しっかりしろ!あーめ。雨降ってきたからよ。まあいろいろあったかも知れないけど、とりあえず今は帰ろう。」
渡がまだ泣き止まぬままの顔で、俺を見上げる