曇り
ごろごろとなり始めたのは、もう夜と言ってもいい時間帯だった
ぴかっと光っては、ごろごろ
光ってはごろごろ
繰り返し…
ちょうどその時、俺は渡に数学を教えていた
渡は敏感に雷に気づき、俺が喋っているのにもそもそと動きだした
冷房で寒かったのだろう
話を聞いているときはいつも、手を足の下においているのがこいつの癖
それなのに、その手をお腹に当てだした
なんだろう?と思い、そのまま喋りをとめず渡を観察する
…ん?