曇り
女の涙
翌日
俺はまた出勤。
まじで夏休みってなんなんだよ塾長さんよう。
「毎日悪いな、結城。」
「ああいいですよ。暇なんで。」
うん、嫌味かな?まあしかたないねーほんとここんとこ毎日顔を出してるからね
俺に声をかけてきたのは塾長の、黒井。
いつも元気だ。
年の割には、若い子を相手に頑張っているように見える。
「なあ、今日さ新しい子来るらしいぜ。」
「ふーん」
「りーつー聞いてんのかよー」
講師が使う別室で少しテキストを広げ、予習をしようとしていると、俺の名を呼ぶやかましい声。
「っせーな。俊治のそのやかましさはどおにかなんねーのかよ」
まったく。外の蝉よりやかましいったらありゃしない。