終われないから始められない


私達…。結婚?

確かに弘人は公園でそう言った。


「祐希。直ぐにって事じゃない。
お前が二十歳に成ったら結婚しよう。

まだまだ俺もお前も半人前でひよっこだし。
好きだとか、結婚だとか、子供が何言ってるって言われるに決まってる。
だから余計二人で頑張りたいんだ。
…上手く言えないけど。
家に帰ったら、毎日お前に逢いたいんだ。

誰にも触れさせたくないし、他のやつと居るとこなんて考えたくもないんだ」

弘人は続けてそう言ってた。

思い出せば出すほど、強烈な告白だった…。

一体、いつから弘人は考えてたんだろう。
私だって、いつも一緒に居られるならずっと一緒に居たいと思ってる。
でも、結婚なんて…。
あるとしても、まだまだ先の未来の事だと思ってた。

結婚かー…。

「考えて見てくれないか?
嫌は当然無しだからな!
幾つになろうが、いいって言うまで待つし。
ノーは一生受け付けない。
いつにするかって腹をくくるだけのことだからな」

そうも言った。

要は、私の気持ちが固まったらってことだよね。

急に大変なことに成っちゃった…。
でも…、段々頭がついてくると何だか顔が緩みそうになる。

お母さん達、反対するだろうな…。
例え今じゃなく、二十歳に成った時でも。
まだまだ子供のくせにって。

あ、…でも、だから、弘人は二十歳にこだわったのかも知れない。

せめて、年齢だけでも“大人"だって、言いたくて。


“大人"が結婚するんだ、反対されても一緒に居る覚悟がいる。

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