終われないから始められない
互いの想い
「好きになって欲しいとか言わない。
ただ祐希の側に居たいんだ。
それだけでいい。
居させてくれないか。
嫌なときは嫌って言ってくれ。
こんな理由で側に居たら迷惑か?
今まで通りでいい。
時々会ってご飯を食べよう。
くだらない事を話して笑おう?
祐希の都合でいいんだ。
気が向いた時、嫌な時も、好きなように、気の済むように俺を振り回せばいい」
「そんなの駄目です。
そんな資格、私にはありません。
私は自分勝手で、今は…辛くならないように、都合良く生きようとしてる、そんな人間です。
そんな暗い生き方に、橘さんを巻き込む訳にはいきません。
…台なしになります。
橘さんの時間を虚しいモノには出来ません」
「巻き込まれてるとか台なしとか、虚しいなんて思わない」
首を横に振り続ける。
「俺じゃ駄目かな?…祐希。
都合よく利用すればいいじゃないか、振り回せばいいじゃないか。
俺が勝手に好きなだけだ。
このままでいいから。
内田君の事、無理して忘れようなんてしなくていいんだ。
思い出したい時は素直に思い出せばいいじゃないか。
どうしようも無い時は気が済むまで泣けばいいんだよ。
俺が居るから。ずっと側に居る。
祐希と一緒に居るから」