降車駅



「誰だってさぁ、わかってるんだよね。そういうあたしたちのヘンテコな孤独感とか焦燥感って、この年頃の少年少女は誰でも持っていて、特別なものなんかじゃないんだ」



 こんなこと、誰にも言ったことがない。

でもずっと思ってて、吐き出したくて、――だからあたしは、誰もあたしを知らないところに来たかった。



「そんなたいした悩みじゃないってわかってるのに、あれこれ悩んで、悩むためだけに余計にテーマを考えたりなんかして、ほんと、馬鹿げてる」



 ずっと胸にためてきた思春期特有のヘンテコな辛さを、皆はどうやって消化しているのか知らないけれど、あたしは、吐き出さないと爆発してしまいそうになる。


だから、こんなところまで来て、誰かにゴミ箱になってもらいたかった。



 受け止めてもらえなくていい。

理解してもらえなくていい。

慰めてくれなくていい。



 ただ、話を聞いてくれれば、それで。



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