ふちどられたミライの中で【ケータイ小説向上の会企画作品】
「おはよう、蓮。今日は来るの早いね。」


台所にはコンソメスープと焼きたてのトーストの匂いが漂っていて、少し暖かい。ただ、いつも先に座っている父さんの姿が無いことに気が付いた。



「おはよう。ところで父さんは?」


「お父さん、今日から出張なんですって。だからいつもより遅く出て行くって。」



「ふうん。」



イスに腰掛けて、並べられた料理を見る。あ、このチキンナゲットって昨日の残りか?

ん、オクラってここ一週間ずっと出てる気が・・・。まあ、そんな事はどうでも良いや。



「いただきます。」


「どうぞ。」




俺の家はどこにでもある普通の家庭。

俺と父さんと母さんとの三人暮らし。裕福な家庭でも無いが、生活に苦労しているほどでもない。



父さんは普通のサラリーマンで、会社の経営は今ん所良好。口数少ないが、時々おもしろい父さんだ。(天然っぽい)


母さんは父さんに似合わない美人で、活発な性格。近所の人達との付き合いもかなりあって、平気でオバちゃん軍団にも入ってゆける。



俺自身も、不良になりたいとか思ったことは無いし(喧嘩が強くなりたいなとか思ったことはあるが)成績全般至って普通。少しだけ社会の点数低め。

現在は中学生。




俺はこの家庭を嫌ったことは無いし、むしろ周りの人々を見てると幸せなんだなって思えることがよくあった。



そしてこれからもこの生活は変わらないと感じていた。





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