ふちどられたミライの中で【ケータイ小説向上の会企画作品】
ハンカチ、ティッシュ、爪・・・うんオッケー。今日は清潔検査だからな、ちゃんと確認しないと。
爪に関して言うと、保健室に強制連行だし面倒臭いから。で、どうせなら全部揃えとこうって言う訳だ。
初日にちゃんと揃えると大抵忘れないよなー、そんな話を友人にしたら「流石A型だな。」と半ば嫌味っぽく言われた事を少し覚えている。
「じゃ、行ってきます。」
「あら、蓮。もう行くの?本当に今日は色々早いのね。」
「そんな日もあるんだよ。」
「そう、毎日こうだといいのにね。」
「いつも普通だろ?」
「そうね、遅刻よりはいいわね、ふふっ。それじゃあいってらっしゃい。」
すがすがしい気持ちでドアに手を掛け、家を出た。たぶん、もう一度振り返ったらゆっくりと閉まってゆくドア越しに母さんの笑顔が見えるんだろうな。
それから、マンションの敷地を出て行く途中も何度か「今日は早いわねえ。」などと声を掛けられた。
俺はそれにぺこりと頭を下げて挨拶をするのだった。
気持ちの良い朝。
気持ちの良いスタート。
俺は『今日』という日に何の疑いも持っていなかった。むしろ、いつも以上にスッキリした日なのだと、
そんな無根拠な確信を抱いていた。
爪に関して言うと、保健室に強制連行だし面倒臭いから。で、どうせなら全部揃えとこうって言う訳だ。
初日にちゃんと揃えると大抵忘れないよなー、そんな話を友人にしたら「流石A型だな。」と半ば嫌味っぽく言われた事を少し覚えている。
「じゃ、行ってきます。」
「あら、蓮。もう行くの?本当に今日は色々早いのね。」
「そんな日もあるんだよ。」
「そう、毎日こうだといいのにね。」
「いつも普通だろ?」
「そうね、遅刻よりはいいわね、ふふっ。それじゃあいってらっしゃい。」
すがすがしい気持ちでドアに手を掛け、家を出た。たぶん、もう一度振り返ったらゆっくりと閉まってゆくドア越しに母さんの笑顔が見えるんだろうな。
それから、マンションの敷地を出て行く途中も何度か「今日は早いわねえ。」などと声を掛けられた。
俺はそれにぺこりと頭を下げて挨拶をするのだった。
気持ちの良い朝。
気持ちの良いスタート。
俺は『今日』という日に何の疑いも持っていなかった。むしろ、いつも以上にスッキリした日なのだと、
そんな無根拠な確信を抱いていた。