年下オオカミ。
嫌いなんてことはない。
むしろ好きだけど、私は先輩が好きなんだよ。
航宇くんへの好きは、弟のような存在だからで…。
私が答えられなくて困っていることがわかったのか、
スッと手を離してくれた。
「ごめん。 困らせるつもりじゃなかったんだ。
有紗ちゃんと久しぶりに会えて、でも好きな人がいて。
俺、焦ったのかも。」
少し悲しそうな顔をしていた。
マネージャー無理しないでね、と
航宇くんは走ってサッカー場に向かって行ってしまった。
あんな風に悲しそうにされたら、
何も言えないよ…。