年下オオカミ。
「航宇くんっ!」
私は帰ろうとしていた航宇くんを呼び止めた。
「有紗ちゃん… どうしたの?」
私が戻ってくるとは思わなかったんだろう、
航宇くんは目を丸くして驚いていた。
「航宇くんにちゃんと言おうと思って…。
私は、翼先輩が好き。
航宇くんのことも、もちろん好きだよ。
でも、私にとっては弟みたいな…」
「待って。」
話している途中で航宇くんが私の口を手で塞いだ。
え!?
なに!?
話したくてモゴモゴしていると、
「分かってるから。
有紗ちゃんが俺のことを弟みたいに可愛がってくれてることも。
好きじゃないことも。」
スッと手を離してくれた。