横顔だけじゃ、足りなくて
・*episode 4.
⇒想い
次の日から学校へ行っているけれど、先輩と会える日はない。
和奏さんと寄りが戻ってしまったとか!?
それなら会えない理由に合う…
『今日もまた窓見てるね?
最近、日比野さん何かあった?』
お昼休み、窓をずっと眺めていると明石くんが話しかけてきた。
話すのはあの日以来。
那雲によると明石くんは、反射神経が抜群で足が速い!
けど、勉強の方はイマイチらしい…
那雲はライバル意識を抱いているのかな?
「いえ、別に…何も」
『あっやしー!
何なに、片想いの相手とか?』
「はい!?」
『もしかして図星?』
返事のスピードが早すぎてついていけない…
しかも、どうしてバレてしまったんだろう。
顔に出てるとか!?
恥ずかしすぎる…
『俺は別に良いと思うけど?』
「えっ?」
何が!?
普段全く話さない人とは話がよくわからない。
明石くんも窓に目を向けていて、どこか寂しそうな目をしていた。
『俺、好きな人に全然振り向いてもらえないんだよ』
「好きな人…いるんですね」
『まぁね。
俺が年下だから、すっごい相手にされないわけ』
あ〜…
年上が好みなんだ!
女の子と良く話す姿をよく見かけるけど、ちゃんと好きな人はいたんだ。
振り向いてもらえない…
相手にされない…
それでも、好きなんだ。
自分の気持ちに、嘘はつけないもんね。