横顔だけじゃ、足りなくて
放課後になり、真っ先に図書室へと足を運ぶが、人一人いなかった。
肩を落とさず、次は校舎裏へと急ぐ…
部活動の人達の掛け声が聴こえてくる…
今、この時間にみんなは部活に力を注いでいる。
自分だけいいのかな…
部活でみんな汗を流して頑張っているのに…っていつも考えてしまう。
だんだん声が遠のいていき、静まり返った校舎裏へと足を止める。
すると、そこには何やら本を読んでいる人影が見えた。
もしかしてと思い、駆け寄るとやっぱり柊良先輩だった…
「お久しぶりです…」
『真彩ちゃん…』
途端に俯いてしまった先輩。
やっと会えたのに…
どうして俯くんですか?
私はただ、会いたかっただけなのに。
「ごめんなさい…」
『真彩ちゃんは悪くない。
悪いのは俺の方。
ほんとごめん…』
那雲、何を言ったのかな…