横顔だけじゃ、足りなくて
先輩とまた笑いたいのに…
やっと会えたのに…
『和奏とは、しっかり話したよ』
「それなら良かったです」
『あの日、泣いた和奏を家まで送ったんだ…』
やっぱり。
先輩…優しいからだいたい予想は付いてた。
だからそんなに気にしてなかったはずなのに、何故か那雲の前で泣いてしまった。
それでも来てほしかったからかな…
ずるい自分がいるんだ。
それにもっと辛いのは和奏さんの方。
最後まで、好きな人に心から好きになってもらえなかったんだ…
片想いは一方通行
付き合う事ってこんなにも難しいんだ。
「そうですか」
『風邪…ひいたんだよね。
俺が行ってあげれなかったから…』
そんな顔、しないでください。
もう、悲しそうな顔をしないで…
先輩の頬を両手で包んで、上へゆっくり上げる。
目と目が合う…
「先輩のせいじゃありません!
雨のせいと私がバカだったからです!」
元はと言うとそうなる。
雨の予報をしっかり見ていなかった私が悪い。