横顔だけじゃ、足りなくて
恋をすると、こんなにもドキドキして頬が熱くなるんだ…
下の名前で呼ぶってことは、先輩との距離が一歩近づいたって思っていいの?
先輩の隣に座って、ちらっと見慣れた横顔をみつめる…
『那雲くんって凄いよね』
「そうだ!
那雲、なんて言ってました?」
『ん?
てことは、秘密にされてるのか。
カッコよかったとだけ教えるよ』
そうクスッと笑った
先輩まで教えてくれないなんて。
でも、またこうして先輩の隣に居られる。
今はそれだけで良い。
わがままは言いたくない。
「そうですか」
『このままじゃ、負けるな…』
「へっ?」
負ける?
誰に?那雲に?何で?
頭の中に ? が一気に飛び交う。
『いや、何でもない』
「気になります」
『時期、わかるよ』
そう肩を揺らして笑った。