横顔だけじゃ、足りなくて
外に出ると半袖にジャージ姿の那雲が立っていた。
「部活は?」
『午前で終わった。
で、真彩スイカ食べるか?』
両手をズボンのポケットに入れて、ニコッと笑う那雲。
半袖の裾を肩まで捲り、日頃から鍛えられている筋肉に目がいく…
カッコイイ…
ちゃんと毎日部活してるんだ。
私にはない部活で青春を過ごしてる…
「うん!食べる!」
隣の那雲の家に上がり、リビングに行くと机の上には大きなスイカが二つ置かれていた。
「真彩ちゃん、いらっしゃーい♪
今、切るから待ってて!」
「はい!」
那雲と椅子に座って、夏奈さんがスイカを切るのをじっと見る。
茶髪のショートカットの髪が涼しげにみえた。
耳にはピアスが付けられていて、うつむき加減が那雲に凄く似てる…
お父さんの穂尭さんには目元と髪質が似ていて、性格や雰囲気はどちらにも似てる。
「よっと!」
半分に切られたスイカを見てみると…
「真っ黄色だ!
ねっ!ほら那雲!」
『テレビで見たことあるだろ』
「うん!」
テレビでしか見たことがないスイカの色
いつも赤ばっかりだったなー…