横顔だけじゃ、足りなくて



夏奈さんはスイカを切りそろえていき、黄色いスイカをお皿に綺麗に並べた。




「那雲がね、真彩ちゃんに黄色いスイカ食べさせたい!って昨日言ってねー」


『はっ!?ちょっと、それは』


「いいじゃん別に!
おばぁちゃんから送られて来たんだから」




那雲のおばぁちゃんの家では、たくさんの野菜を育ている。


よく、さつまいもやじゃがいも、いちぢくとか苺も夏奈さんから御裾分けが届く。


どれも美味しくて、大変お世話になっています!




「ほら、真彩ちゃん食べな?」


「ありがとうございます!
いただきます…!」




スイカを手に取り、まずは塩なしでいただく…




「美味しい!
けど、甘さ控えめのすっきりした味」


『たぶん、赤より色が薄いだろ?
その分濃度が低いからだよ』


「そうなんだ!
那雲、詳しいね!
将来は農家するの!?」


『はっ!?んな事しないし』


「ははっ!」




私たちのやり取りを見て、笑い出した夏奈さん


可笑しそうにお腹を抱えて笑っている。


やっぱり、笑った顔も似てるなー


私も親に似てるのかな?


よく、性格や雰囲気はお母さんに似て、考えとかはお父さんに似てるって言われる。


虹が好きなお父さんはロマンチストだ




「那雲が農家とか、あんた三日も持たないでしょ」


『母さんまで』


「やっぱり、二人のやり取りは見てて面白いよ!」




ムスッとする那雲をつつく夏奈さん


本当にアットホームな家庭だ


家族みんな仲が良く、笑いが絶えない家庭


私の家も仲良しだけど、那雲の家には負ける…




「那雲も食べよ!」


『うん』




スイカを食べた那雲は笑って一言『上手い』と言った。


みんなで食べるスイカは美味しいな♪




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