横顔だけじゃ、足りなくて
⇒温もり…
予定が決まってからは、毎日が早く感じとうとうお祭り当日
お母さんに頼み、浴衣の着付けをしてもらいおまけに髪もヘアアレンジしてもらった。
胸までの髪を、頭上でお団子ヘアにしてサイドを巻いてみた…
似合わない…かな?
一人髪を気にしながら玄関の縦鏡を何度も見つめる。
《ピンポーン…》
と、同時に開くドア…
鏡とにらめっこをしていた私を、那雲が見てお腹を抱えて笑う。
なんて失礼な!
「笑わないでよ!」
『わるい、でもだってすげー真剣な顔だったからさ』
「で、似合ってるの!?ないの!?」
帯に手を当て、那雲をじっと見る。
困ったように那雲は、私を上から下まで見下ろす…
那雲の無表情さに、ますます自信がなくなる…
『うん。大丈夫、似合ってる』
「感情こもってない!」
『いや、見返すとあまりにも似合い過ぎててさ』
藍色の甚平を着た那雲は、目をそらして頬をかいた。
那雲の甚平姿、見るの初めてかも…
髪もセットなんかして…
すごい似合ってる。
「ありがと…
那雲も、似合ってるよ」
そして、互いをもう一度見つめ合って笑い出す。
うん。
この関係がいいな♪