横顔だけじゃ、足りなくて
涙で視界がぼやけてまともに花火が見れない…
すると彗くんが泣いている私に気づいて、指の腹で私の涙を拭ってくれた。
そして、優しく抱きしめて私の頭を撫でてくれた。
まるで『大丈夫だよ』っと言ってくれているかのように…
ちゃんと見なきゃ!
じゃなきゃ、那雲に申しわけない。
彗くんの胸に顔を付けながら花火をちらっと見る。
キラキラ輝く満開の花火…
やっぱり綺麗で、一瞬の綺麗さに儚さを感じた。
彗くんも花火をじっと見ながら、私の顔を優しく撫でてくれている。
くっついているから彗くんの体温が伝わってくる…
離れたくない。
ずっとこうしていたい。
だから、伝えるよ
この気持ちを…
花火が終わったら