横顔だけじゃ、足りなくて
那雲、言えたよ!
ちゃんと気持ち伝えたよ!
『…先越されちゃった』
「へっ?」
『女の子が先言っちゃう?』
そう肩を揺らして笑った彗くん。
頭に ? がたくさん浮かび上がった。
えっ…とつまり、それは…
『俺も真彩ちゃんが好き』
「…」
嬉しすぎて言葉が出ない。
両想い…
彗くんも私が好き…
『真彩ちゃんに先に言わせてしまった自分が情けないよ…』
嬉しさをどう表して良いかわからずに、彗くんをぎゅっと抱きしめた…
『真彩ちゃん、それ反則…
てか、可愛すぎ』
「だって…」
『…キスしたい』
へっ!?
耳元でそう言われて体がビクッとした。
ゆっくり離れて彗くんを見上げる…
彗くんの右手が私の右頬に触れて…
びっくりして目をぎゅっと閉じた。
『恐がらないで…
優しく目…閉じて』
その優しい声に従って、全身の力を抜いて目を軽く閉じた。
その瞬間…
ゆっくり重なった唇…
私のファーストキスは彗くんになった。
柔らかい感触…
ほんの一瞬のキス…
目を開けると、顔を赤くして立つ彗くんが
「可愛い…」
『へっ!?』
「ふふっ」
私、彗くんが大好き!