横顔だけじゃ、足りなくて



騒がしくなるお昼休み


二学期からは、那雲に加え逹奇くんに千加それにイッチーとお弁当を食べている。




「ねぇ真彩、柊良さんとどうよ?」



脇腹をつつく千加のせいでくすぐったい。


あれからは、思っていたより平凡な毎日だったけど、LINEが入る度に嬉しくて舞い上がっている。


今日は帰り道に寄り道デートと言うのをするみたい!


千加に伝えると寄り道デートって言われたんだ。


何するかワクワクする!




「普通だよ?」


「怪しい…!」


「それよりイッチーとは?」




千加はニヤリと笑って、隣に座るイッチーの腕に手を回した。


イッチーは慣れたのか、黙ったまま片手でジュースを飲んでいた。




「もち!
ラブラブってやつ!」


『千加、それ恥ずかしいし』




おぉ!


イッチーが“千加”って…!!


まだ聞き慣れないから聞く度に嬉しくなる!


口数が少なく、何事にも冷静で、それに千加を良く見ている。




「もう!イッチー恥ずかしがんないでよ」


『いや、だって…』




千加を引っ張れるようになるのは、まだまだ先なようだ。


逹奇くんは那雲に何かこそこそ話している。


それも何処か浮かない顔で…


ここは聞かないのが一番だ。



《キーンコーンカーンコーン…》




みんながわいわい騒ぐからあっという間にお昼休み終了のチャイムが鳴る。


後2限、後2限頑張れば彗くんに会える!


そのためなら授業が頑張れる。




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