横顔だけじゃ、足りなくて
良し!
耐えた、寝ずにノート録って頑張った!
途中すんごく眠くて眠くてやばかったけど…
彗くんが来るまで、文字ぎっしりの黒板を消していく…
みんな部活で教室が一気に静まり返る中、廊下から聴こえる足音。
この足音は彗くん
『お疲れ』
「彗くんもお疲れ様!」
『真彩ちゃん、高いところ届かないでしょ?』
うっ…
この教室は長い黒板消しがないから、高いところが届かない。
背伸びしても全く届かない…
「うん…」
『貸して?
俺が消してあげるから』
スラリと横に立つ彗くんに、黒板消しを渡して板書を消してもらう。
まだ見慣れない夏服…
長袖のカッターシャツを腕まくりして、左手首には時計を。
スラリと長い手足にウエスト
どこを見てもかっこいい…
『ん?
真彩ちゃんどうかした?』
「…へっ?
いや、彗くんに見とれて…」
『ははっ、ほんと正直すぎ!
でも、ありがとう』
こんな近くで笑顔を見られるなんて…
板書を全て綺麗に消し終わり、戸締りをしっかりして教室を出た。
前をゆっくり歩く彗くんの後ろ姿
ずっと見てきた後ろ姿だけど、もう…いいよね?
隣に立って歩きたい…