横顔だけじゃ、足りなくて
その日は結局見つからず、図書室に行っても会えなかった。
うーん…
授業の間の休み時間、窓をみつめるばかり。
『真彩、英語の予習見せて!頼む!』
「また?
いい加減自分でやらないと、次から見せないよー?」
『だって部活が…』
「言い訳は聞きません。」
いくら那雲でも、甘やかす事はしない。
でも、部活大変だもんね。
雨の日以外は20時までやっている日もある…
休みの日はジュニアの子達にサッカーを教えたり、中学の後輩の練習を見てあげたり…
サッカー歴6年の那雲に、サッカーが欠ける日はまずない!
だから、課題も手伝ってあげたりしている。
「でも、そう言って見せてあげるのが真彩だもんね!」
「そういう千加もよく課題忘れて縋ってくるけどねー」
そう笑って見せると、「あっ!!」と言って謝ってくる。
とりあえず次の時間、那雲は私のノートを写して爆睡した。
それを横目で見て、またノート貸すことになるんだろうなーと思って笑った。