横顔だけじゃ、足りなくて



あれから3日後…



「剛…ごめん。」



果歩先輩が口にした言葉…


いつものお昼休みに、お弁当を持って新間先輩の隣に座ったのだ。


ずっと下を向く果歩先輩に、新間先輩は…



『いや、俺こそ…悪かったな。』


「はっ?
なんで剛が謝んの?
剛の持ち前の優しさに妬いたのは…私なんだよ?」


『うん。
でも、一番優しくして本気で怒ったり、妬いたりするのは果歩だけだからな』




その言葉に果歩先輩の顔はみるみる晴れていき、新間先輩に抱きつき離れなかった。


果歩先輩、可愛い…


悪い時は“ごめん”と互いに謝れる中が良いと思うけど、本気で怒ったりするのは大切ってことかな。


本心で心から果歩先輩の事が好きだから、真っ直ぐ目を見て言ったんだ。


新間先輩、男らしいからなんかかっこいい…


この姿を見た那雲までもが、今日は茶化さずに目を輝かせている。


さすが先輩だ。




< 147 / 287 >

この作品をシェア

pagetop